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海幕運第2647号
海上幕僚監部防衛部長から各部隊の長・各機関の長あて
航泊日誌の記載に関する細部事項について(通知)
標記について、航泊日誌に関する達(昭和42年海上自衛隊達第30号)第10条の規定に基づき別紙のとおり定め、平成3年7月1日から実施するので通知する。
なお、航泊日誌の記載に関する細部事項について(通知)(海幕運第2765号。58.7.4)は、平成3年6月30日をもって廃止する。
添付書類:別紙
別 紙
航泊日誌の記載に関する細部事項
1 一般記載要領
(1) 航泊日誌は、月ごとに更新し、記録する。
(2) 航泊日誌に記載する文字は、漢字又は仮名(外国の地名、人名等、外国文字の使用が適当な場合は、その国字)及びアラビア数字を用いる。
(3) 航泊日誌の記載は、青色又は黒色のペン書き(ボールペンを含む。以下同じ。)とする。
(4) 記載事項の訂正は、青色又は黒色のペンで行うものとし、字句を削る場合又は字句を改める場合は当該字句を一線で抹消し、訂正印を押す。
字句を追加する場合は、適宜の余白に追加する字句を記載し訂正印を押す。余白のない場合は、同質の他の白紙に記載し、本紙に添付することができる。この際、本紙と添付紙の両方に掛かるように割印する。
(5) 表紙及び内表紙の所属は所属する部隊名を、番号及び艦船名は艦船国籍証書に記載してある番号及び名称を記載する。
(6) 乗員幹部等(運航・機関運転関係者)の表は、艦船の長並びに艦船の運航又は機関の運転に従事する副長、航海長、機関長及び当(副)直士官又は機関室副直士官に立直する者の職名、階段、氏名、乗(退)艦年月日及び保有する海技資格の種別を記載する。
(7) 表紙、内表紙、艦内編制、運航・機関運転関係者及び標準コンパス自差表は、毎月の初めに記載する。
なお、艦内編制が定められていない艦船においては、定員及び現員を艦内編制の表の左端の科の欄に記載する。
(8) 標準コンパス自差表は、測定の都度改記(消磁コイルに通電中は、括弧を付ける。)し、記載欄には、測定法、測定時の海上模様及び船体の状態、測定後自差の変化に影響を及ぼす事項等参考となる事項を記載する。
(9) 当該事項のない欄(計測器具がないため、測定できないものを含む。)は、斜線を引く。
(10) 記載事項が上欄と同じ場合、同上を表す記号「〃」を用いることができる。
(11) 時刻、針路(方位) 、距離及び速力の記載は、次の例による。
午前2時15分 0215
午後8時40分 2040
北15度東(磁針路) N15°E
236度(真針路) 236°
157度(真方位)1,500メートル 157°1,500m
260度(真方位)2,000ヤード 260°2,000Yd
5,5マイル 5,5ML
3,000フィート 3,000ft
12ノット 12kt
(12) 計測の数量は、次の各号に掲げる区分により四捨五入するものとする。ただし、錨鎖長(節単位)の記載に当たっては、小数第1位を分数に換算して記載する。
ア 単位に止めるもの
排水量、針路、方位、深度、風速(ノット)、風浪階級、うねり(階級)、動揺、雲量、視程、湿度
イ 小数第1位に止めるもの
自差、偏差、航程、測定儀指度、錨鎖長、気圧(ミリバール)、温度、速力
(13) 各種の単位は、その艦船に備え付けてある計測器具の単位によるものとし、気象観測教範(陸上及び海上の部)(海上自衛隊教範第318号。以下「教範」という。)に定める場合のほか、海上自衛隊の使用する記号、符号に関する達(昭和33年海上自衛隊達第45号)に定める記号に準じ単位名を付記する。
2 記録欄の記載
次の各号により記載するものとし、第5号から第8号までについては、航海中は毎時に、停泊中は4時間ごとに記載する。ただし、天候険悪の兆しがある等、特に必要がある場合は、航泊を問わず30分ないし15分ごとに気象に関する必要事項を記載する。
(1) 年月日欄
当日0時における当直士官が記載する。
(2) 自至、停泊地欄
自及び至の欄には、当日の出港地名及び入港地名をすべて記載する。また、停泊地欄には、当日の24時における停泊地名を記載するものとし、24時現在において航海が継続中の場合には、「航海中」と記載する。
(3) 当直士官欄
当直士官は、その氏名を自署する。交代した場合は、時刻欄の時刻に相当する位置に区切線を付す。ただし、正時の途中で交代した場合は、区切線の上側にその時刻を付記し、交代が短時間で氏名を書く余白がない場合は、記事欄に交代時刻を記載し、その氏名を自署する。
(4) 時刻欄
航海中は、毎町の行間を空けずに、また、停泊中は、04時、08時、12時、16時、20時、24時を3行置きに記載する。
(5) 針路(艦首方位)欄
ア 航海中は、真針路又は磁針路を記載し、出入港、狭い水道等の通過又は訓練等で短時間に針路を適宜変えたときは、「適宜」と記載する。
イ 停泊中は、艦首方位を記載する。ただし、次の場合は、それぞれに掲げる例により記載し、末尾に艦首方位を記載する。
(ア) 前後浮漂係留:○○浮漂に前後浮漂係留中
(イ) 岸壁(又は他艦船)横付け:○○岸壁(艦船名)に右
(左)舷横付け中
(ウ) 岸壁に艦尾付け:○○岸壁に艦尾付け中
(6) 航程欄
ア 実測欄
(ア) 航海中は、実測航程を記載し、実測が不可能な場合は、航海長の決定した推定航程(括弧を付ける。)を記載する。
(イ) 停泊中は、次の例により使用中の錨及び錨鎖の長を記載する。
a 錨 泊:右舷錨を使用して錨鎖4節2分の1を出したとき「右41/2」両舷錨を使用して錨鎖右舷2節、左舷3節を出したとき「右2、左3」
b 単浮標係留:○○浮標に単浮標係留
イ 測程儀欄
上欄に測程儀示度を、下欄に測程儀による航程を記載する。
(7) 気象欄
風向、風速、風浪階級、うねり、天気、雲、視程、海面気圧、気温、湿度及び海水温度の各欄の記載要領は、教範による。
(8) 動揺欄
航海中、毎時間内における左右それぞれの最大傾斜角度を記載する。
(9) 艦(船)位欄
航海中は、6時、12時、18時及び24時の位置を測定し、経緯度で記載する。ただし、物標の方位、距離によるのが簡明な場合には、これによって差し支えない。位置は、実測を原則とし、実測ができない場合には推定による。位置の記載に当たっては、測定方法の区分により、次の符号又は記号を付けるものとし、2種以上の測定方法により位置を求めた場合は、これらを併記する。
天 測
陸 測
レーダー RP
ロ ラ ン LP
測 深 DP
無線方位
デ ッ カ DEP
オ メ ガ OMP
NNSS NSP
SINS IP
推 定 EP
推 測 DR
(10) 航程速力欄
ア 航海時間欄
当日の0時から24時までの合計航海時間を記載する。
航海時間とは、出港のとき(投錨中は最後の錨が海底を離れたとき、係留又は横付中は最後のもやいを離したときをいう。)から入港のとき(投錨した最初の錨が海底に達したとき、又は係留用浮標若しくは陸岸等に最初のもやいを係止したときをいう。)までの時間とする。
イ 航走時間欄
航海中主機を使用して航走した時間を航海時間記載要領に準じて記載する。
航走時間は・出港時、航海継続の目的をもって、主機が最初に前進となった時刻から起算し、入港時、係留又は錨泊の目的をもって主機が最初に停止した時刻までとする。途中主機を停止した時間は、その時間を控除し、1日に2回以上航海した場合は、各航走時間の総計を記載する。
ウ 航程(実測、推定)欄
当日の0時から24時までの実測(推定)航程の合計を記載する。
エ 平均速力欄
実測航程又は推定航程を航程時間で除した平均速力を実測航程記載要領に準じて記載する。
オ 航泊日誌(丙)についての補足事項
航海時間欄は、水上及び水中状態に区分し、航走時間、航程、(実測、推定)及び平均速力の各欄は、更に水中状態を電池とスノーケルに区分して記載する。
(11) 備考欄
ジャイロコンパス、測定儀等計器類の誤差及び天文、気象に関する事項等後日参考として必要な事項を記載する。
3 記事欄の記載
(1) 一般に関する事項
ア 主な日課及び主要作業
イ 燃料、真水、糧食、武器、弾薬、その他主な物品の積卸し、移動等
ウ 船体、武器及び機関の主な損傷、修理、改造、検査、試験、手入れ等
エ 救命装置に関する訓練及び非常訓練(防火、搭載艇等訓練、防水、応急操舵)
オ 犯罪の発生
カ 水葬、遺留品処置、出生及び死産
キ 海難に関すること
ク 人員の死傷又は行方不明者の発生及び官職氏名
ケ 立入検査
コ 主な武器の使用状況
サ 着(退)任した幹部自衛官の官職氏名及び准海尉・海曹土自衛官の員数
シ 便乗者の官職又は役職氏名(状況により員数)及びその乗(退)艦(船)並びにその目的
ス 艦(船)長の職務代行
セ 天候の異変、警報等及び処置
ソ 司令官・群(隊)司令・艦(船)長の出入、その他主な部内者の乗(退)艦(船)
タ 航空機の搭載・解除
チ 旗章の掲揚及び降下
ツ 防水扉等の開放・閉鎖及び点検
テ 救命設備の点検・整備、操舵設備の検査
(2) 停泊に関する事項
ア 艦船の停泊位置(双錨泊の場合は、両錨の位置)、水深、底質、潮流、錨泊法の種類、使用錨鎖長等
イ 出入渠、修理作業に関すること
ウ 停泊用諸灯又は錨泊灯の点灯及び消灯
(3) 航海に関する事項
ア 操舵装置の出港前検査
イ 投錨及び揚錨
ウ 出入港作業(えい船の使用状況及び主機の発停を含む)、主要な速力の増減
エ 主要な針路の変換、変針時刻及び変針点並びに変針時における測定儀の示度
オ 海図と著しく異なった水深を観察した場合の位置及び水深
カ 狭い水道等の通過時刻及び潮流
キ 航海用諸灯の点(消)灯
ク 航路標識の異変を認めた時刻及びその状況
ケ 漂流物、魚網その他障害物の状況に関すること
コ 暗礁、浅所等の発見
サ 水路図誌記載内容と実際の状況が異なる場合、その内容に関すること
シ 水先人等の氏名及びその乗(退)艦(船)
ス 使用時刻帯及び日付の変更
セ 他の船舶の遭難を知り、人命若しくは船舶の救助に従事した状況、又は救助に行かなかった事情
ソ 測定儀の使用開始・終了時刻及びその示度
タ 航海に関し受けた命令の要旨及び艦(船)長が必要と認める事項
チ 潜水艦については、露項準備、露項、潜入、浮上、スノーケルの開始・終了及び深度(50m以浅)を記載する。
4 摘要欄の記載
当日の記事のうち、主要な事項を摘記する。
5 当直記録の記載
当直記録は、航泊日誌に準じ記載する。
6 その他
航泊日誌の記載に当たっては、形式(見た目のよさ、訂正箇所の多少等)にとらわれることなく、適時性かつ正確さに留意しなければならない。